
高橋 智隆 様 (たかはし ともたか)
京都大学ベンチャー ロボガレージ
ロボットクリエイター
世界の最先端をゆくロボットの、技術開発からデザイン、製作に至るまで、全て一人でこなしてしまう凄腕ロボット職人。
■ロボ・ガレージ
■著書「ロボットの天才」
―――何のお仕事をなさっているのですか?
ロボットをつくっています。もともと趣味の延長ではじめたようなものなんですけども、好き勝手にロボットを作ります。その過程で思いついた技術的な成果は、特許出願します。それをサイエンスアートみたいな感じで出展して、それを見た企業から、そのロボットの商品化や、特許技術のライセンス、ロボットのデザインなどの仕事の依頼をもらって、対価を頂くと。そんな仕事です。
―――今のお仕事をなさっていて苦しいと思ったことはありますか?
もともとね、趣味で始めて基本的にはひとりでやってるから気楽だし、苦しいことはほとんどないですね。あえて言うなら、共同開発とかで納期が厳しい時とか、あと諸手続だったりとか法律だったりとかで分からないことがあったり、とかですね。
―――逆に嬉しかったことややりがいを感じたことはどんなときですか?
やっぱり作るのが好きだし、自分で作って、何もないところからなんか時間をかけてコツコツとやっていくと最終的にロボットというかたちになって、無からそういうものが生まれてくるっていうのはなんか、完成してからしみじみと嬉しくなりますね。
―――学生の頃からそのお仕事をなさるつもりはありましたか?
在学中は仕事というつもりはなかったんですけど、卒業が近づいてきてどうしようかな、と思った時に、これをそのまま仕事にしていこうかなと。
―――どんな夢を学生時代に持っていましたか?
僕は実は立命館大学の文系を一度卒業してるんですよ。この時は何も考えてなかったです。卒業が近くなって、就職活動をするときになって初めて仕事何していくんやろうとまじめに考えるようになってエンジニアとかそういうのになりたいと思うようになったんで、そういう仕事を目指して就職活動をしたんです。でも文系で出だとどうしても厳しくて、第一志望に落ちちゃったんです。
そこでどうしようかと思ったんですけど、やっぱり自分のずっとやりたかったものづくり、その中でも興味のあったロボットの勉強をしたいなと思ったんです。そこで、もう一度大学を受けようということになりました。1年間勉強して、普通にセンター試験を受けて、京大に入学して、最終的にはメカトロニクス研究室のほうに配属されました。
まあ立命にいたとき、何の勉強した訳でもないんですよ。基本的には遊んでましたね。やりたいことがある程度明確になって、京大入ってからはロボットをやろうということは決めてましたが、起業しようとはこれっぽっちも考えていませんでした。普通に企業に入ってエンジニアとかになってやっていこうかとおもっていました。
―――現在のお仕事に就いた経緯というのは?
一回生の冬くらいからロボットをつくりだして、二回生の夏くらいに完成して、学内のベンチャービジネスラボラトリーという施設で特許相談って今もやってるんやけど、そこにもちこんだんです。そこからは、なんていうかなりゆきでこうなってしまったんです。
運良くたまたま国の方策として大学発ベンチャーを増やしていこうとか、特許相談室をおいて大学から地域財産を活用して貢献して行こうとか、大阪を中心にロボット産業で経済を振興していこうとか、そういう流れというか時代の恩恵を受けて、という感じですね。
―――もともとロボットに興味をもったのはいつごろからなんですか?
もうめちゃめちゃさかのぼるんですけど、幼稚園の時くらいに鉄腕アトムの漫画を見て、なんかロボットをつくる科学者になりたいなあと思っていて。でもそのあと別にそんなことはすっかり忘れてて、いろんなことに興味が移っていってたんですが、ものをつくるのは好きで、特に機械ものは好きだったんですよ。まあ趣味程度に工作はして遊んでましたけども、何やりたいかを自分で考え直したときに、それだったらね、戻るならそのロボット科学者という原点まで戻ろうと。
―――幼い頃の憧れを目標として再受験というのは大きな決断だったと思いますが、まわりからの声とかいろいろありませんでしたか?
そうですね、まわりの友人知人ってね、変なこと思いついたら人ごとやから大体勧めるでしょ?たとえば変な車とまともな車どっちが良いって相談すりゃたいてい変な方の車を、ね?周囲はそんなかんじで。親は、まあまあやっと勉強する気になったか、今度こそやれよと。
―――これからの夢や目標はありますか?
とりあえずは今のままやっていって、ロボットがそれこそ一家に一代の時代がやってくるはずなんで、それを実現するのになにか貢献できたらいいなと。例えばそのときのどのロボットにも使われているような技術を生み出すとか、そのロボット開発のトレンドを生みだしたりだとか。あんまり分からないですけども、そういうのを実現するための何か大事なステップを自分の手で生み出したいですね。
―――将来的にはどんなロボットをつくるのが夢なんですか?
そうですね、そのままじゃないですけど、アトムっぽいものとかですかね。まあ、人型で一緒に生活をするようなものですかね。べつに空とか飛ばなくて全然いいですけど。普通になんか家族の一員のようなかたちで生活をしているものになると思うんです。
―――ロボガレージ自体を大きくしたりとかしないんですか?
多分あんまりないと思いますね。あんまり大きくしすぎるとね、自分はマネージメントとかそういうところに追われてしまって自分は作れないんでそれは嫌なんです。だから最大限多くなったとしても弟子数人と、事務的秘書的営業的なことをやってくれる人がひとりですかね。なので、五人にはならない気がしますね。
―――学生のみなさんにメッセージをお願いします。
僕がひとつお勧めするのは、手を動かしてものをつくってみませんかと。何かアイディアがあったときに、それを実際に手を動かしてつくってみるとまず自分でそのアイディアが本当にうまく行くかがわかって、つぎにアイディアの改良点が思いつく。で、何かものがあることによって、他の人に説明する時に説得力があるんですね。こんなすごいことを考えててこうするとこう世の中が変わる大発明なんだと自分で思っていたとしても、本当にうまくいくか分からないし、自分でもよく分からないし、それを人に説明したところで絶対信用してもらえないし。何かとりあえず先につくってしまうことで物事が先に進むんじゃないかな、という気がします。
―――どうもありがとうございました。