サマンサ 三吉 様(さまんさ さんきち)
パチスロ漫画家多数の連載を通してスロッターに夢と希望を与え続けている。
■白夜書房
目次
■「そもそもマンガってのは何描いたらええんか分かれへんのよ、行き詰まると。」
■「『でも、がんばろうや!』ってとこを見せな、そんな雑誌いらんねや。」
■「最高の物かどうかは自分じゃなくて読者に決めてもらうのが一番。」
■「なんとかしてくれ。」
■「性にあうかとか自分が持ってるかってのは大事。」
■「人生は一択。けど道は繋がってる。」
---現在なさっているお仕事をお願いします。
パチスロ関係の実戦マンガを主にやってます。パチスロ雑誌の仕事が主です。
パチスロ雑誌ってのは、パチスロが好きでやっぱり勝ちたい、って人がどっかにヒントないかなって思って手に取るようなマンガ雑誌。まあ、マンガだけを楽しむんじゃなくて、実際にパチスロで勝つために生かせることが書かれていることを求められている雑誌。
だから俺らも本気になって、読者が普段研究せえへんこととかも自分で打って研究する。「あーやっぱりそうなんや。」って、読者はお金を使うことなく俺らの経験したことを自分の経験にしていく。だから俺らは実際に真剣にパチスロをやって、その模様をマンガでかく。
--いつごろから漫画家になろうと思ってらっしゃったんですか?
それは昔から。ちっちゃいころから漫画家になりたかった。専門学校時代、半分暇つぶしのつもりでヤンマガに4コママンガを軽い気持ちで送ってみたんやけど、駄目やってん。今度はムキになって真剣にやってみたらそれが賞とって、それがそのままヤンマガに掲載されて。
---ちなみにどういうジャンルの?
それはね、「ぞうさん家族」っていう動物が主役の4コママンガ。パチスロとは関係ない。でももう17年くらい前かなあ。大昔やで。まだAKIRAとかやってたからなあ。
---どういった経緯で現在のパチスロ漫画家に?
マンガだけじゃ続かへんなと思い出して。想像の世界やとやっぱり行き詰まる訳や。みんな漫画家さん、消えて行くやん。なかなか難しい。なんでかっていうと、やっぱ得意なジャンルがないからってことになるんよ。
そもそもマンガっていうのは何描いたらええんか分かれへんのよ、行き詰まると。何がおもしろいんかとかも分からんくなる。でも好きなことやったら何がおもしろいかとか分かるやん。その自分のものさしをつくるために自分の好きなことやるのが、一番感情移入も出来るし盛り上がって描けるんよ。
やっぱ売れ続けてる人って、水島新司さんやったら野球とか、バリバリ伝説のしげの秀一さんとかやったらバイクとかとか、みんなやっぱりジャンルがあるねん。
一つのことすんのは怖い、一回それがあかんかったら終わりやから。でもそれでやる方が、信頼を得た時にはずっと続く。
ほんで俺も何か持とう、好きなことから入ろうと思って、白夜書房のパチンコに入ってその流れでパチスロになった。で、まあそれが功を奏して「パチスロやったらサマンサ」って言う風にうまいこと築けてきた。もう腹くくってそれでとりあえず行こうって真剣にやったら結構いけた。
------ではパチスロマンガを描いていて一番やりがいを感じるのはどういう時ですか?
やっぱりみんなが、俺が考えたことで勝ちましたとか勝てましたとか、とか言って喜んでくれたら嬉しい。俺は負けたけど、みんなが喜んでくれた時とか。
実際去年まで俺もずっと負けキャラやってん。でも、そうやって俺が頑張っても負け続けてしまうことによって、他の負けてるやつが癒される訳や。「俺より負けてる」とか、「頑張ってもこの台は負けるんや〜、納得!」とか思ったらまたやったろうってなる。
なんせ、みんなが俺の姿を見て、生きる道とか希望をもってくれるように。勝っても負けても前向きに。
ほんまは、心底心は折れてるで。でもそんなん、「人生つらいやろ」って書いてもおもろないんや。
「でも、がんばろうや!」ってとこを見せな、そんな雑誌いらんねや。
---では逆にやっててつらいときとか苦しいときっていうのは?
それは、いっぺん体と頭がパチスロモードになってもたら、ギャンブルの脳から仕事に切り替えるのがすごいつらい。やってるときはもうすごいのめりこんでるのに急に空想の世界に入らなあかんから。
勝ったら勝ったで調子乗ってるから、あしたもパチスロ打ちたい。でも締め切り近いから仕事せなあかん。ってなるから、それを抑えるのが大変。
で、負けてたら負けてたで、逆にもう一回打ちたいと思うから、行きたくなるのを押さえるのが大変。漫画家やけど、打ってる時間の方が長いから。
---そうなんですか?具体的にはどれくらい?
月20日近く打ってるんちゃう?で、残りの日で原稿を4本から6本あげる。
---すごいですね〜、そのスピードは!
そう、それは命。やっぱりプロはスピードが大切。じっくりとかそれは無理。最高の物なんかにこだわってたら締め切りいつまであっても終わらへんよ。だから最高の物ってのはなんやねんていうのはおいとく。まずテッペンは締め切り厳守。やっぱ自分のプライドじゃなくてとりあえず読者に、下手と思われてもええからとりあえず読ましてあげるってのが大事。もう恐れんとあげていかな。
でもまあ、逆に締め切りがあるからあげれる。最高の物なんかにこだわってたらいつまでたってもあげられへんよ。だから最高のポイントがないのが逆にええねん。だからその締め切りであがったものが自分の限界、才能って思うしかない。
そもそもおれなんか、締め切り近くでしか才能を発揮できへん。ほんならそれもまた才能なんや、前もって出来へんって言う。
あとはその才能のレベルは読者にはかってもらう。
最高の物かどうかは自分じゃなくて読者に決めてもらうのが一番。そこで自分が納得せな。
---座右の銘はありますか?
座右の銘はね、
「なんとかしてくれ。」
---なんとかしてくれ?どういう意味ですか?
自分だけで解決したらあかんと俺は思ってるねん。自分で解決はしてるけど、最後の判断とか評価は人に任してる。だから「なんとかしてくれ。」
人になんとかしてくれって言うて、自分の出したもんにちょっと手くわえてもらったりすることによって、すごい強力になる。俺はそう。ネームとかあげて、編集が、ここはこうしたら良くなると思うんですけどねえ、ほんならそうしよう。読者がこうしたらええって言うた、ほんなら応えたろう。これによって結構良くなってる、俺のマンガは。昔はそれが出来ひんかった。
---へ〜!そうなんですか。
全部自分だけでなんとかしようと思ってた。俺だけが面白い。俺が考えるのが一番おもしろい。人が考えるのはおもしろくても俺は認めへんとか。
でもやっぱりそれやと、ホシャってくる。俺の場合はな。そこまでの才能が俺には無かったってことやけど。「人の意見って大事や、自分だけでは限界があるわ」って気付いた。
人と関わった方が、違うことも入ってくるやん。自分にないものとか。そこで戸惑うんじゃなくて、ほんならこうしたろうっていうバイタリティがないとやっぱりあかんのかな。ある意味、人を信用したるっていうことになるんかな。
だから、常にライバルがおったら伸びて行くってのもそういうことやわ。一人やったら限界があるわ伸び方に。だから、世の中盛り上がるとみんな盛り上がるねん。やっぱ伝染して行く訳よそういうのは。そういう盛り上がってるとこには寄って行ったらおもしろいことあるわ。
---学生時代の夢をお願いします。
学生時代は、ひたすら色を使うのが好きで、さっきも言ったようにイラストって言うのを描きたかった。
でも結局、食って行けるかどうかっていうとこで、やっぱりイラストレーターっていうのはあんまり需要がないねん。イラストなんていらんといえばいらんから。需要があったとしてもやっぱり広告会社に入ってるイラストレーターの描くイラストが多い。ゆくゆくはフリーでやろうと思ってたけど、それが難しいんなら、どうしょーかなって考えて。
まあマンガってのははっきりと目に見えた雑誌が何冊も出回ってるやん。ほんならそれが職場やんか。イラストレーターは職場が目に見えてはないんや。そうなったら、漫画家も難しいけど、まだこっちの方がチャンスはあるなあと思って、結局漫画家を選んだわけです。賞もとってたしね。
---今もってらっしゃる目標とか野望とかってありますか?
野望・・まあなるべく55歳くらいまでは漫画家続けたいな。あと20年くらいか。おれは一発大きいの狙ってないねん。一発で3億円か稼ぐより、長いことかけて3億稼ぐってのを考えてるから。ずっと仕事あるほうがおもしろいやん。なるべく漫画家っていう職業を続けたい。将来は釣りマンガでもええかなって。
---ということは釣りの方も?
好き好き。好きな物の方がやっぱり。
性にあうかとか自分が持ってるかどうかってのは大事。
例えば、自分の感覚じゃないけど、世間一般的におもしろいとかカッコイイとか言われる流行りのマンガってあるやん。ほな自分の本質じゃなくても、そういうマンガを描きたいと思う訳よ。そうやって流行りのマンガとかを追っかけて描くと、俺なんかはホシャっちゃって。若いうちは自分にないものばかり描こうとした。
自分の描きたいもんじゃないわけよ。自分の性にあってもない訳よ。それを計算だけで、これを描けば、とかそういうのでいくと良くない。勿論その計算で描いたやつが性にあったらめちゃくちゃええけどな。
---本筋とは関係ないかもしれませんが、4号機から5号機に変わるということで、これからのパチスロとパチスロマンガにどういう影響があると思いますか?
う〜ん今までずっと上向きやったけどまあ落ち着くやろな、パチスロブームってのは。ほんでちょっとは低迷するやろな、雑誌とか。それはしゃーない。
---別にパチスロブームが収まるから他のジャンルのマンガ描こうとは思わない?
うん、今は全然。とりあえず時代には逆らわんことやろ。
時代は自分で一から作ろうと思うと、絶対うまいこといけへん。
時代の流れって、ちょっと感じるやん。それにうまいこと乗っかったやつが時代を創ったって言われるねん。やから感じとかなあかん。ホリエモンとか楽天の人とかももそうや。自分で創ったわけやない。ネットの流れ、あったわけやん世の中には。
俺もパチスロマンガをずっとやってたら、パチスロブームっていうのがスポーンて来たわけよ。マンガの面白さだけじゃなくて、パチスロブームっていう時代が乗っけてくれたんや。今は何も無かってもしゃーない、時代は自分で創ろうと思ったら良くない。
---最後に学生にメッセージを。
「人生は一択。けど道は繋がってる。」かな。
大体みんな、自分が何がしたいんかとか、何が好きなんかとかが分かれへんってのが一番苦労するねん。
やから、子供にも「一択」って名前をつけた。絶対に一つのものを選択できるっていうので一択。
例えば、三つ道があったとしたら、やっぱり躊躇するやん。でもそれをちゃんと一つ決めれる。だって自分の体一つしかないねん。それで、一つの道選んだとしても、それが他の道と繋がってる場合もあるから。ビビったらあかんねん。繋がることも考えながら選んで行ったら大丈夫。一つの道行ったからって、ほかの捨てた道を完全に捨てたわけじゃないねん。
俺も、パチンコマンガを選んで、結局パチスロマンガになってるやろ?道を選んでとりあえず前に進むことが大事。うまいこと諦めたりな。
きちんと諦めてるってのは進んでないようで、進んでるってことや。決断してるやん、諦めるっていう。それも、諦めて困ってる訳じゃないから、進んでるってことや。
ほんなら周りは見てるから。「あー、あいつあの道行ってるなあ、ならうちで使いたい。」ってなる。止まっとったら絶対誰も使ってくれへん。
―――ありがとうございました。