櫻井 慎也 様 (さくらい しんや)
G&W株式会社代表取締役社長
オンラインショップ「職人.com」を運営。日本文化を新しい形で発信し続けている。
■職人.com
―――今なさってるお仕事について簡単にご紹介ください。
物づくりに携わる人と、物を販売されたい方をインターネット上で繋げていく仕事をしています。そして僕ら自身も販売もしています。今は伝統工芸に焦点を当てているのですが、日本の伝統工芸技術って素晴らしいものがあるのに、その技術を活かす舞台は既存の伝統工芸品にしかないんですよ。それで伝統工芸技術を使った新しいものに注目して販売するのが職人.comなんです。
例えば、のれんってあんまり使わないですし一個買ったらもう十分ですよね?だからあまり売れてないのですけど、例えばジーンズだったら売り上げがその何百倍あるんですね。じゃあのれんを作る藍染めの技術でジーンズを作ったら、それを買う層がものすごく広がるんですよ。なので職人.comではそういう伝統工芸技術を使った新しい商品を扱っています。ものすごく幅が狭いんですけどね。
―――どうしてそのお仕事を始めようと思ったのですか?
どうしてですかねぇ。昔から海外がすごく好きだったんですね。アメリカとヨーロッパを一人で一周したりシンガポールに7年間住んでたりしている内に、すごく海外に憧れる気持ちが強くなっていて。それで就職活動する時にも海外に支社のある企業を集中的に受けて、なんとか海外20ヵ国以上に支社がある第一志望の会社に入ることができたんです。その後大阪に転勤になった時に、上司が仕事中に毎日昼寝したりパチンコ屋に行ったりしているのを見て、やっぱり
自分のできることを一生懸命できる環境に自分を持って行きたいなって思ったんですよ。とりあえずその環境が嫌で、体中から独立したいという思いが湧き上がってきて。それで、技術もアイデアも全く何もなかったのですが、同期のみんなにメールして「独立して会社作ります」って宣言しちゃったんです。
その後は携帯電話のサイトを作って広告収入を上げるビジネスモデルを考えたり、デイトレーダーをやってみたり、海外のブランド品を日本に輸入する、輸入代行みたいなのをやろうと思ったりしていたんですよ。
で、たまたま友達のお母さんと喋っている時に、「海外のものを輸入するのはもうやってる人がたくさんいるから、日本のものを海外に出した方がいいんじゃない?」って言われて、その時はただ、はあ、そうですかと。それで1?2週間経って、竹村健一の本を読んでたらその中に、「会社を起こす時には一週間街を歩いて色んな事を見て、起業のアイデアが一個も浮かばないようだったらお前は起業する資格がない」みたいなことが書いてあったんですね。それで自分には資格あるんかな?って疑問になって、その足でロフトに行ったんです。そうしたら納豆石けんとか炭のシャンプーとかがあって、これは実は外国の人すごい好きなんちゃうんかなと思って。そこから稲妻が走ったように頭に繋がったんですよ。前の友達のお母さんの発言とも結びついて。納豆石けんとか炭のシャンプーとかを使って外国の人が日本の文化に興味を持ってくれて、日本と海外が趣味の領域で理解し合えるようなサイトというか架け橋になれたらいいなと思って。
国と国とは歴史的背景とかから結構微妙な関係があっても、個人と個人になると別に仲良くなれる訳ですよ。それって素晴らしいことだと思うんです。それで何が個人と個人を繋げるかっていうとやっぱり共通の趣味だったり、エンターテイメントなんですね。エンターテイメントを発信して相互理解を促すサイトを作れたら、すごい幸せだなって思ったんです。それで、日本のエンターテイメントを外に出そうと考えた時に、伝統工芸品と今の日本の文化を知ってもらうことでその場を作り上げていこうと思い、職人.comのおぼろげなイメージが生まれたんです。後から決まったんですけどね。エンターテイメントが先で。
3月にビビッときて4月にアイディアが決まって、5月にアメリカで会社作って。で、ホームページの作成の仕方とか全て学んで9月にやっとオープンに漕ぎ着けたという形です。
―――大学時代はどんなことをしてらしたんですか?
大学時代はね、二回生までは麻雀しかしてませんでした。もう最低でしたね。社会の廃人でしたよ。タバコを吸いながら麻雀をするのが週の半分以上。でも二十歳になる前に、当時付き合ってた彼女が喘息だったのが原因でタバコやめたんですよ。この時もみんなに宣言して。
有言実行がいいんですよ。不言実行はだめです。そんな言葉海外にはありませんから。
で、それを機に麻雀とキセルもやめて全うな人間になろうと思ったんです。多少生まれ変わったんですけど、その時彼女にふられて、人生の氷河期に。
その夏に、仲良いヤツらでトルコとマレーシアとシンガポールに旅行に行ったんです。それが楽しくて、海外への興味と海外で働きたいっていう思いが強くなって。結果的にそういう就職先を選んだのには父親の影響もあるんですけどね。世界一尊敬してるので。
で、その会社を受けた後にアメリカとヨーロッパを一周しようと決めたんですよ。それで
アメリカ一周して、世界観が一気に変わったんですね。人生の転機でした。アメリカってパワーがあるんですよ、大地に。もともとインディアンの聖地じゃないですか。今ちょっと頭おかしい人が牛耳ってますけど、そいつら除いたらすごく良い国なんですね。回ってる内にエネルギーをもらって、海外で会社員として頑張るのも一つだし、将来起業したいという思いが深層心理から芽生えてたんですよ。それで、変わりましたね。
―――大学時代は、どんな将来のビジョンを持っていましたか?
もう、親父のうり二つ。親父みたいになりたいっていう気持ちでしたね。親父はシンガポールで働いてた頃が一番輝いてたなって、その時の親父の顔が焼き付いていたんですよ。まぁ逆に今はもっと出世してるんですけどね。
シンガポール時代1500万くらい貰ってますから、やっぱり尊敬するじゃないですか。そんなに貰えるんだ、すごいって。結構豊かな生活っていうのは求めてましたね、今でもそうですが。海外で働くのって、心も豊かになりますけど給料も高いんですよ。だいたい1.5?2倍くらい。だから、メキシコかシンガポールかどっかに住んで給料2000万くらい貰うっていうのが僕の人生における幸せだと考えてましたね。まあそれがアメリカ一周によって変わってしまったのですが。
―――その頃、その夢に向かって何か具体的にされていたことはありましたか?
もう本当に旅行だけですね。ここで旅行するからここまでにいくら貯めなきゃならないっていうのを半年くらいの期間でスケジューリングして。123456…って手書きでスケジュール帳を書いて、空いてる日を全部なくすんですよ。手書きが良いんですよ。当時警備員のバイトをしてたんですけど、空いてたらバイトって。すごく楽しかったですよ。
お金の効率も良くて、やっぱ計画立てるって凄いなって。そのおかげで今があります。
何かを達成するっていうのが身に付いたと思いますね。
旅行での一番の収穫って、
自分は大した人間じゃないなって謙虚な気持ちが持てたことです。例えば宇宙で、太陽の温度があと10%低くなったら地球上の生物って全部死んじゃうんですよ。それってすごく深刻な問題じゃないですか。でも実際その時までまだ何億年とあって、その内の本当に小さい時を俺らは生きてる訳ですよ。そう考えたら、こう、度胸つきません?
こんだけの期間しか生きられないのに、俺ら楽しまなくてどうすんだよ、やれることやらなくてどうすんだよって。
それがわかったっていうのが一番の収穫でした。それが謙虚になるって事ですからね。そうすると学問への入り方がわかるんです。僕なんかもセミナーに行ったり本読んだり、自分の勉強にすごく投資してます。今年に入ってもう200万くらい。そういう自分への投資って言うのは全部返ってきますし、
1回しかない人生だから、濃く生きたいじゃないですか。だって50年経って気づきたくないじゃないですか。「うゎ?、信号って赤でも渡れるんか実は!」みたいな。他にも色んな場面で、「会社、親に辞めたらいかんって言われてたから今まで守ってきたけど、俺辞めて成功出来る」って知ってたら一度しかない人生めちゃくちゃ楽しめると思うんですね。
すると、起業っていうのが一つの選択肢として見えてくるんです。それは経験とか自分の体験を通して知っていないと発想として芽生えないんですけどね。起業して成功するとか、他人事のようにしか感じないですから。だから、起業して成功した方とか色んな人に会って、そういう方々の雰囲気を感じたり話したりできたらすごい経験ですよね。ものすごい疑似体験が得られますから。実際の経験の何分の一くらいですけど、それはほとんど経験と変わらないんです。
その経験を基にしてスタートラインに立てば一緒じゃないですか。そうすると、色んな視野が見えてくるんです。社長になるということがわかっているので、社長になったらどんなことをして、何をしたらどうなるってわかるんですよね。それを基にして、どうしたら自分は幸せか、どうしたら他人を幸せにできるかって考えていくと、やはりみんなが幸せになってくれたら一番幸せなんですよ。あくまで自分が幸せになった後ですよ?それが逆になっちゃうと説得力ないですよね。自分が幸せじゃないのに、どうやって他人が幸せにできるんだと。自分が幸せだったら他人に笑顔を与えられる、方法が与えられますから。
だからそれも含め、
経験が凄く大事だと思います。こういう経験(情熱島国企画のインタビュー)って素晴らしいと思いますよ。僕も大学生の時にやっておけば良かったですね。麻雀してた時間返してくれって感じですよ。
―――これからの夢や野望などあれば教えてください。
直近の目標というのは、上場がいつでもできるような世界5カ国に支社を持つグローバルな会社になることです。それを目指してみんなやっています。上場って何って話になるんですけど、それって結局、会社をやる上での自己実現の究極の目標なんですよ。
行動って目的があって初めて価値が出てくるし、自分がやってることに対して価値が生まれるというか。それと、上場を通じてそこに資金が集まりますから、その資金を基にして社会に対して大きなことが出来る訳です。そうすると多くの人が入社してきてくれますよね?で、そうなってみんなが喜んでる環境っていうのを僕はすごく求めてるんです。
結局は全部自分から端を発してるんですね。誰かに幸せになってほしいってのも、「誰かが幸せになってくれてる姿を見ている自分」になりたいんです。
だから
目標設定って究極に自分にわがままになってほしいんですね。究極にわがままにならないと一生懸命やらないんですよ。誰かのためって目標立ててもね、結局は誰かのためっていうのを感じてる自分のためなんですよ。なんかよくカッコイイ目標立てたがるじゃないですか。偽物の目標設定をしていると力出ないですよ。誰々のためにって社訓を掲げながら結局は自分のためにだったら、それをやり遂げた時の自己実現欲求って人間とっても強いですからね。褒められたり、名誉とかすごいって言われたりとかって嬉しいじゃないですか、ね。そういうのって自然だし、それがシステムを約束してくれるし、自分も幸せだし裕福にもなれるし。
社長の思い一つなんでね。社長がもし「もうえっか」とか思ったらお終いじゃないですか。そんなん伸びる訳ないですよね。
―――起業にしても上場にしても、目標を掲げて取り組んでいく時に日常生活の中で心掛けていることはありますか?
常に学び続けていくことですね。うちの会社ではメンタルトレーニングとかは欠かさないんですよ。毎日聞いてますよ、ナポレオンヒルとか、有名なとこではナイチンゲールとかそういうCD教材とかね。あとは潜在意識の活性化のやつとか。ジーニアスコードっていう、自分を無の状況にして最大限の力を発揮するって言うね。実際やってみたら分かると思うんですけど、スゴイですよ、潜在意識って。
ウチの職人.comのホームページの右下に運営日記ってあるんですけど、その左側で紹介しているCDって言うのがオススメ。僕、あれ聞き始めて三ヶ月で売り上げが三倍くらいになりましたからね。
僕の師匠、28才で会社を32個持ってる方が、人に最初に対面する時に、「私はこの人を愛してます、この人の全てを受け入れる」って言ってから面談するんですよ。そうしたら大抵うまくいくんですって。これは本当に潜在意識のすばらしい使い方ですよね。
人生は1回きりですし、どう生きるかは自分次第なんでね。従業員もみんな幸せになってもらって、あぁなんて生きていてよかったんだろ、空はなんてキレイなんだろ、そういう素直な、きれいな心っていうのは世界を幸せにすると思うんですよ。最近気づいたことなんですけど、
みんなが今幸せだなって思えるなら、その人は使命を全うしていると思うんですよ。だってみんなが幸せだったら世界は平和なんですから、こんな素晴らしい世界はないですよ。
そういう視点で行くと、他の人も受け入れられる訳なんです。会社もずっと一人で一生懸命やってたりすると、下手すると自惚れちゃうんですよ。俺はこれだけ頑張ったからお前らもやって当然だろ、みたいな。実は僕もそうだったんですけど、
一生懸命やってない人間がダメな人間のように思いがちなんですね。その考えに対して、さっきの発想が電撃のように走って、思ってたよりも人を愛せるようになったんですよ。これは、本当に世界を変える哲学ちゃうかなって思ってるんですけど。
―――最後に今の学生に対してメッセージを。
方法論で、これをやったら何か生まれるんじゃないかと思ってるんですけど、アメリカ一周に一人で行くのをお勧めします。二人だとダメですね。村上春樹も20代でアメリカ一周しろと言ってますけどね。人生観変わるからと。飛行機代あわせて25万くらいあれば行けるんですよ。
あと、自分のやりたいこととかってまだ見つからないと思うんです。僕自身もそうだったので。運良くそれがあるんだったらそれに向かって一生懸命やってほしいですね。ただそれ以上に、
自分が何か成し遂げたっていう自信がつくようなことをやってほしいなと。例えば僕、アメリカとヨーロッパ一周したってみんなに言える訳ですよ。僕あの会社上場させたことあるんですって言ったらえ?ってなるし。それって一生使えるネタですよ。
だから、今やることが見つかっていればそれを後悔のないように一生懸命やってほしい。でも、見つからなかったら迷わずアメリカ一周旅行に行って下さい。一人旅で。そうしたら行動が全部決まるので、ね。
―――どうもありがとうございました。